中部台湾: 多彩な風貌

中部台湾には苗栗県・台中県市・彰化県・雲林県・嘉義県市・南投県が含まれる。

苗栗県の最大の特色は『山城』と呼ばれるほど山がちなことである。著名な観光スポットとしては、雪覇国家公園、獅頭山、龍騰断橋、西部縱貫鉄路最高点の勝興駅などがある。重要な文化イベントとしては、三義木彫祭、国際仮面芸術祭、さらに五月の雪と称せられるアブラギリ祭りなどがあり、客家の風土やアットホームな花園民宿が当地の特色である。

台中は台湾中部の台中盆地中央に位置する。県内の梨山は中部横断道路の最も重要な要衝にあたり、温帯の果物である水蜜桃やりんごの産地として知られる。名勝谷関風景区では温泉の湯浴みのほか、毎年春と秋には、サクラの花見と紅葉が楽しめる。大甲鎮瀾宮の媽祖廟は善男善女の心の拠り所となっており、毎年三・四月には媽祖国際観光文化祭が開催され、多くの観光客が訪れる。

彰化県には、全国的に貴重な扇形車庫が現状のまま保存されている。扇形車庫とは、各車庫とを結ぶ軌道が扇のように見える鉄道施設のことである。彰化は、気候温暖なため、花卉の裁培が盛んで、毎年渓洲郷では大型の花卉博覧会が開催され、大勢の見物客が訪れる。八卦山の大仏では、全台湾を照らさんばかりのまばゆい光のショーが展開され、近年人気スポットとして注目されている。

雲林県は嘉南平原の最北端に位置し、県内の草嶺風景区は奇岩が連なる壮麗な自然景観で知られる。年中参拝客が絶えない北港朝天宮は台湾随一の媽祖廟である。台湾コーヒーの産地として売り出し中の古坑郷は、近年全島から愛好家が集まる。

嘉義県は花蓮県とともに、北回帰線が通過する県の一つで、最近北回帰線太陽館が落成し嘉義の新しいランドマークになっている。阿里山国家風景区は「鉄路・森林・雲海・日出・晩霞」で世界的に名高い。とくに阿里山鉄道はインドのダージリン・南米チリと並ぶ世界三大登山鉄道の一つである。海抜30メートルの嘉義から2216メートルの阿里山まで、らせん状に、ときにはZ字型に、登りつめていく。途中、熱帯、暖帯、温帯という三つの森林相を抜ける。沿線最大の奮起湖駅には二つのホームがあって上下線が交差する。かつて「畚箕湖」と呼ばれたのは、当地が三面を山に囲まれた、自然の塵取の様にみえたからである。

南投は台湾で唯一海に接していない県で、平野が少なく高山地帯を抱えている。県内には台湾最高峰の玉山や日月潭国家風景区を擁している。台湾最大の湖・日月潭は、日本時代に濁水渓の水流を貯めて今日の大きさになった。かつて拉魯島(光華島)より北側部分が日輪に、南側が三日月に似ていたことからこの名がある。湖は、鬱蒼たる緑に囲まれ、一日の移ろいは山水画のようである。当地の美に触れるには、黎明や黄昏のクルージングが最適である。

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